最終回だけ突然のバチェロレッテ感想

昨日の夜、バチェロレッテの最終話が更新されました。

バチェラーシリーズは見てないし(3が当時炎上してたことは知っている程度の知識)、恋愛リアリティーショー系は全然好きじゃないタイプの私でしたが、先輩に勧められて一気見したのが先週日曜日の10月18日。

まさか、最終回に更新を待ち構える深夜12時が訪れるなんて、思ってもいませんでした。感情をすごく揺り動かされたので、ブログに感想をまとめてみます。ネタバレ満載なので、ご注意ください。

 

・萌子さん

萌子さんは本当に意志が強くて、しなやかな女性でした。彼女でなければ、バチェロレッテは務まらないし、彼女がいたからこそ重厚な旅になったのではと思います。誰に対しても真摯に向き合う姿には、尊敬とともに、時々「そんなに頑張らなくていいよ」と言いたくなるほど。でも、それこそが萌子さんの魅力なのだと思います。

個人的には、杉ちゃんと過ごす萌子さんがとても可愛らしくて、きっとご本人は気づいていないのだと思うけれど、杉ちゃんと話して笑う萌子さんの顔が、ほかの誰と一緒にいるときよりもチャーミングで少女のようにキュートでした。

きっと過去の経験もあるし、両親みたいになりたいという結婚への憧れがあったから、今回の旅は誰も選ばなかったのだと思う。

でも、「そこから始まる何かもあるかもしれないから、ローズ渡してもいいじゃんって、ちょっとずるく考えたりもした。けど、それってひどいよね」って言う萌子さんが、バチェロレッテで見える強い萌子さんではなく、頼りなげな少女のようで、切なくて、可愛らしかった。

たぶん、人間はそんなに強くないから、そんな「正しい」判断しなくてもいいんじゃない、って一視聴者の私は思ったけれど、でも、その選択こそが聡明な萌子さんらしさなんですよね。シリーズを通して応援してきたからこそ、萌子さんの選択には納得できました。

 

・黄さん

最初はバラエティーだからなのかヒール役やってるし、気持ちを言葉にすることもなくて、あまり萌子さんのことを好きじゃないのかなと思って見ていました。

コウさんの家族に会った時の萌子さんの馴染んだ雰囲気から、本当にふたりは似ていて、価値観も近いから萌子さんが惚れているのかなと思ったけど、やっぱり最後の最後までコウさんは気持ちが見えない人で。

だから、萌子さんが言っていた「私という人をカテゴライズされるんじゃないかという不安」も、すごく的を射た発言だなあと思いました。コウさんが会社でアイディアを聞いたときに「男子じゃ出てこないアイディア」と言ったこととか、家族と会った時に「女性同士でしゃべりたいこともあるでしょう」と言ったこととか、たぶん萌子さんだから、ではなく、女性だからと扱うコウさんの態度が、「カテゴライズ」でもあるよなあ、と思ったけれど、ここまで的確に言葉に表せる萌子さんは本当に言葉のセンスがすごいと思いました。

あと、萌子さんから突然の「リスクマネジメントするの、やめない?」という言葉も、ドンピシャだなあと。コウさんには「選ぶ権利がある」とも言っているし、腹を割って話せなかった感触がそれまであったからこそ、あの言葉が出てきたのかなあと思いました。

コウさんの最後のすがすがしい去り姿はさすがとしか。大人で、感情的になることなく旅を終えたコウさんの、最後まで優等生で器用な振る舞いには感服でした。

 

・杉ちゃん

たくさんの人が言っているけど、本当に「バチェロレッテ」は、杉ちゃんの成長ストーリーだなと思いました。

杉ちゃんの表現力、言葉のもつ力、心遣い、包容力、すべてが魅力的に映るストーリーでした。萌子さんと性格は違っているけれど、大切にしているものとか、物事の受け止め方がとても近いふたりで、もし別の形で出会っていて、もっとお互いを知る時間があれば、恋人ではなくても唯一無二の関係になれたのかもしれないな、と思いましたね。(杉ちゃんは恋人になりたいだろうし、萌子さんはお別れを決めた責任もあるから性格的に友人として会うことはないだろうけれど)

林檎の木を植える覚悟とか、どんどん強くなる彼の想いと言葉には、人の心を打つ表現の奥深さを感じました。アーティストとして、考えること、表現することを常にしていた彼だからこそのドラマチックなシーンがたくさんありました。

人を想う気持ちって、こんなにたくさんの表現があるんだなって。杉ちゃんの言葉はどれも美しくて、いろんな素敵なものから受けた影響を、自分の言葉や行動としてアウトプットする彼の姿勢が好きでした。

杉ちゃんには、シリーズ中ずっと萌子さんと結ばれなくても幸せになってほしいなって思っていたけど、それはシリーズが終わってからも変わらないです。

 

・スタジオトーク

うーん、過去のバチェラーシリーズを見ていないから、普段がどんな感じだったのかがよくわらからないのですが、あんまり好きになれませんでした。

アフターローズパーティーも含め、バラエティー番組としてのセオリーを意識しすぎていて、本編の重厚なヒューマンドラマとの相性があまりよくなかった気がします。通常のバラエティーでおもしろく映るはずのトークが、このバチェロレッテにおいては効果的に番組を盛り上げていたかというと、あんまり…

最後のローズセレモニーの後の無言の間とかも、どうしようもない主人公がわがままを押し通したというようなストーリーにはぴったりだけど、今までの萌子さんの覚悟を見てきた私には、彼女の決断をバラエティーの型にはめようとしているような違和感を感じて、申し訳ないですが、あまり楽しめませんでした。

シェリーさんが、この時、彼らはこんな気持ちだったのでは、と解説してくれたところはよかったです。

 

・アフターファイナルローズ

これは、朝から「バチェロレッテ」「萌子さん」でSNSを検索しまくっていたので、賛否両論あるのもすごくわかるけど、やっぱりバラエティーノリに寄りすぎているのがちょっと……もうちょっと同じような内容を話すにしても、雰囲気とかどうにかならなかっただろうか…

ローズがいい男だな、というのはすごく感じました。萌子さんを愛し、理解しようとしていた上に、男性同士でもスムーズに立ち回る、本当にあたたかくていい人でした。

個人的には、ローズセレモニーの後の、杉ちゃんとコウさんの会話が見られたのはよかったかな。お互い相手が結ばれたと思っていたら、ふたりとも選ばれなかったと知った後の反応。ふたりのやりとりと空気感がとても良くて、アフタートークは男性同士の友情についてももっと深めてくれてもよかったのに…と思うほど。

コウさんの「(萌子さん)空気読めないところもあるじゃない。そういうところがカッコ良くて好きになったんだろうなって。でもムカつくけどね」というセリフが一番良かったです。 コウさん、それ萌子さんに言ってあげればよかったのに…!と思うくらい、飾らない雰囲気で素直にコウさんの気持ちが出ている言葉だなと感じました。最後の最後にコウさんの株が爆上がりです。本編で見せていた萌子さんの前のジェントルマンなコウさんよりも、何倍も素敵でした。

 

最後の杉ちゃんは相変わらず、紡ぐその言葉がすごい。言葉にこんなに力が宿るのかと、驚くほどに、まっすぐで、強い気持ちがあふれていて、なんかもう、その覚悟に号泣。

萌子さんはきっと、自分の意志や選択に自信があって、覆らないとわかっていても、あのシーンは言葉が心を動かす瞬間に立ち会ったような、そんな気分になりました。

最後の杉ちゃんと北原さんの友情も最高でした。28歳の北原さんと35歳の杉ちゃんがあんなに素敵な友情で結ばれるとは、エピソード1の時は思っていませんでしたが、最後に北原さんが「結果はどうあれ、言ったことに意味がある」と泣きながら杉ちゃんのすべてを肯定してくれたのが、全員にとっての救いになったのではないかな、と感じました。

 

というわけで、バチェロレッテ最終回の感想でした。

私は文章を書くのは好きだけど、ぜんぜん得意ではなくて、感想とかも何日もかけて書いたりすることが多いのですが、今日の夜はdtvで涙必至のドラマ「BE LOVE」の3話の放送があり、絶対に感情がぐちゃっとするので、急いで書きました。推敲は足らないけど、素直な感想です。

素敵な旅を終えられたバチェロレッテの皆様、お疲れさまでした。

恋愛リアリティーショーではなく、人と向き合うこと、愛について考えさせられた上質なヒューマンドラマでした。

バチェロレッテ2をすぐ見たいかと言われたら、すごく悩むと思います。

結局はバラエティーだし、ショーだし、編集もあるし、どこまでをそのまま受け取っていいのかはわからないけれど、でも今回みたいに新たな価値観との出会いや、自分を省みるきっかけになる、重厚な人間ドラマなら、また見たいなと思いました。