最終回を目前におっさんずラブの沼に引きずり込まれた

今さらも今さら。最終回の直前のこのタイミングで、まさか「おっさんずラブ」に号泣する日が来るなんて、3ヶ月前の私は全く想像もしていなかったでしょう。

おっさんずラブ」を略してOLと言うらしいということも、牧春というジャンルがあることも、つい最近知りました。

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もともと趣味のひとつがドラマ鑑賞なので、1話から録画ドラマリストに入ってはいました。毎回目まぐるしく進むストーリーや、新キャラ、ライバルキャラの登場、関係性の変化に、難しいことを考えずに楽しめる作品だなあと思ったものです。

 

ところが、先日放送された6話「息子さんを僕にください!」を見て、もう涙なしには語れない最高におもしろくて切なくて美しい恋愛ドラマだったことに、今さらながらに気づきました。

これまでOL(さっそく使う)の魅力に気づかなかった自分を叱りたいのと、最終回前に気づけた自分を褒めたいのと半々な気持ちです。

そこで、最終回への期待の気持ちを盛り上げつつ、どこがそんなに胸を打たれたのか書きたいと思います。(※ネタバレ注意)

 

6話。

 

「俺と牧は…付き合ってます」
 春田(田中圭)の唐突すぎるカミングアウトを受け、激震が走る「天空不動産」第二営業所。ところが…先に口説いてきたはずの牧凌太(林遣都)の様子はなんだかおかしい。「ちょっと僕には意味が分からないです」と、そのまま営業所を出て行ってしまう。“えええええっ、お前の方が意味分かんねぇよ!”と動揺する春田をよそに、営業所の面々は“牧に片想い中の春田が、決死の覚悟で公開告白をして、撃沈した”と誤解をしてしまう。

 かたや、自分がフラれた理由が“男だから”ではなかったと知った黒澤武蔵(吉田鋼太郎)は、春田への愛をメラメラと再燃させ、「打倒・牧凌太」を宣言! 離婚話を受け入れてくれた妻・蝶子(大塚寧々)とまさかのタッグを組み、起死回生のアプローチに乗り出す!
 その頃、春田に恋する自分に気づいてしまった荒井ちず(内田理央)は、自分の気持ちにひと区切りをつけるために、春田に告白しようと決意するのだが…!?

そんな中、突然牧が春田に対し、衝撃的な行動に出る。なんと「“交際相手”として自分の両親に会ってほしい」と言い出したのだ! 「えっ、それ俺はどういうテイで行けばいいの?」と慌てふためく春田だが、流されるがままに牧の実家へ…。さらには、様子がおかしかった牧が、突然倒れてしまい…?

 公式サイトから引用。

あらすじだけでも盛りだくさんすぎて、かなりスピード感のあるストーリーだということが伝わると思います。っていうか、6話の最初のところしか書いてないし。風邪ひいた牧のところに武川さんが来たり、春田と牧が牧の実家に行ってお父さんに認めてもらえなかったり、春田のお母さんと牧が出会ったり、ちずが春田に告白したり、春田と牧の涙の別れがあったり…。

でも、そんな早い展開の中でも、各キャラクターの魅力や心情がしっかりと伝わるドラマです。

それは、役者さんの演技や、なにげない小道具、痛いほど共感できるキャラクターの心情。いろんな要素のおかげでここまで成功しているのだと思います。

 

特に涙なしには見れなかった牧と春田の別れのシーン。

それまで牧は、春田のためにごはんは作るし、 一回フラれても一途に春田を思うし、ほんとに献身的に尽くす完璧な恋人で。春田がちずに優しくすることにも何も言わないどころか、恋敵のちずにも優しい。すっきりしたいから春田に告白したい、というちずにも、気にしてないという笑顔を見せる。

けれど、春田の母から、昔から春田はちずが好きだった事実を告げられたり、何気なしに「ずっと、創一と友だちでいてね」と残酷すぎる言葉を言われたり。とどめはそんな春田とちずが抱き合うシーンを見てしまったり。

その後の牧は、春田に対して「春田さんといても苦しいことばっかりです」って泣きながら言うし、「春田さんのことなんか好きじゃないです」って誰にでもわかるような嘘をつく。その健気さが、「自分の幸せより相手の幸せか」と言った武川さんのセリフも相まって、ほんとに切ない。自分の嫉妬とか絶望とか、そういったどろどろした気持ちを全部封印して、ひたすら春田の幸せのために別れを切り出す人間らしい部分に完敗でした。

一方、視聴者的には鈍感すぎる!と怒りたくなる春田も、好きだとは牧に一度も言ってないくせに、 「これから家事も手伝うしさ、いつか牧のお父さんにも認めてもらうように努力するから」と泣きながら言うところが、憎めなかったりもする。やっぱり牧を好きな気持ちあるんじゃん、と。

しかし、結局は別れてしまう二人。 

そんな涙涙の牧春のシーンの後、あっけないくらい早く一年が過ぎ…

春田と部長が同棲していた!という超絶急展開で最終回へと続きます。

そこでやっと私は、ああ、このドラマ部長がヒロインだったじゃん!牧はヒロインじゃなかったじゃん!!と思い出しました。

そう。部長というヒロインから少女マンガ的視点で見れば、好きな人にずっと片思いして、相手に振り向いてもらおうとひたすら頑張っていた。ところが、途中美人でスペックの高いライバルが現れて、彼はその人と付き合い始めちゃった!けど、でも諦めずにアタックをし続けていたら、ついに一年後、同棲することに!って、少女マンガの王道サクセスストーリーを歩んでいたんですよね。

牧に感情移入しすぎていたけど、それぞれがそれぞれの主人公のストーリーがある。 そう思わせてくれたラストシーンでもありました。

私としては牧には幸せになってもらいたいし、春田にも部長にも、武川さんもちずも蝶子さんもマロも幸せになってほしい。 

きっと最終回も、たとえどんな結末になっても、おもしろくて切なくて美しい恋愛ドラマとして、幕を閉じるであろう姿を、しっかりと見届けたいと思っています。